いけい☆ミラクル
私が拳を高く突き上げると、やっと父さんは笑った。

そして、私が車に乗り込んでから窓越しに言う。

「ここはお前の家だからな。」

「うん!」

「帰って来るんだぞ!」

「…うん!」

「待ってるからな!」

「…うん…。」

車は無情にも発車する。
どんどん遠ざかっていく父さんに、私は見えなくなるまでずっと手を振り続けていた…。

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