派遣OL、時々蝶。


「えっ、・・・雄ちゃん?」


驚きのあまり思っている事が声に出てしまう。




「あれっ? 陽菜じゃん!もしかして今日から入ってきた派遣の子って?!」

雄ちゃんも驚いている様子。

でも 新しく派遣が入ってくるという情報は知っているようだった。






「たぶん? てか、雄ちゃんの勤めてる会社ってココ?!」


「そう。ココ、てか前言ったし!覚えてないとか・・・ヒドくね!」

雄ちゃんが少し拗ねたような顔をして私の席の方へ近づいてくる。



そんな雄ちゃんを目で追いつつ話を続けた。

「聞いたっけ? ごめんごめん。今日からお世話になりまーす。」

仮にも仕事場、しかも今日入ってきた身分で大きな声では話せない 控えめな声で言葉を返す。



「そっかぁ。新しく入ってきた派遣の子が可愛い子だって噂になってたからわざわざ用事作って偵察しにきたのに・・・ 陽菜だったとはショックでけぇ」

冗談っぽく落ち込む雄ちゃん。


用事作ってまで偵察する必要あるの?って心の中で思いつつ、
声に出してツッコむ勇気なんてない私。





「ショックとかヒドくない? 悪かったですねー、可愛い子じゃなくて。
雄ちゃんのバカ。」

わざと拗ねる素振りを見せて プイッと雄ちゃんから目をそらした。



「ごめんって; 今度飲みにでも行こう! またメールするから。」

そう言いながら雄ちゃんは私から遠ざかっていった。



「はいはい。 またね。」

軽く手を振ってバイバイした。








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