真夏の白昼夢

女の荷物は少しヨレたボストンバッグ一つだった。

帰る所がないって一体どういうことだろう。

家出?夜逃げ?
何にしたって面倒な女と関わってしまったに違いない。


「ねぇ、あたしもう寝てイイ?シャワー貸して。タオルも」


女はご機嫌な様子でシャワーを浴び、寝室の俺のベッドにダイブした。


「ベッド占領するのは悪いから、半分こしようね」


枕に顔を半分埋めながら、無邪気な顔でそう言った。

ソファーで寝るからと断ったけど、女はダメだと言い張る。

とうとう根負けした俺は、シャワーを浴びると女の居るベッドに滑りこんだ。
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