真夏の白昼夢

帰り道の途中、スーパーに寄って夕飯の買い物をした。

ナツキは食材を熱心に選び、俺はそんなナツキを見つめた。

荷物は俺が持ってやったが、ナツキは手持ち無沙汰だと言う。

そして俺の空いた方の手を取った。

はたから見れば、仲の良い二人なんだろう。

幸せな未来を描ける二人に見えるだろう。

夕日が滲んで見えるのは、きっと眩しすぎるせい。


「今日は煮物にするね」

「いいね」

「沢山作り置きしておくからね」


ナツキは柔らかい笑みを見せながら言った。
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