真夏の白昼夢
この日は俺も夕食の仕度を手伝った。
危なっかしいと言って、ナツキは心配そうに見てくる。
二人で作った食事を、二人で食べる。
それはとても幸せなことだった。
「こんな日がずっと続けば良いのにな」
俺がポツリとそう言うと、ナツキは少し困ったように眉を下げる。
「それは、幸せ?」
「あぁ、幸せだ」
ナツキは少し俯き、零すように呟いた。
「あたしは、幸せにはなれないよ」
ナツキがどんな意味でそう言ったのかは分からない。
だけど俺はなんだか悲しくなった。