真夏の白昼夢

ナツキは俺の肩にその小さな頭をもたせかる。


「そう言われたことは始めてじゃないの。でもあたしはいつも期限通りに消えた」


夏の夜の湿った空気が窓から流れ込む。

ナツキはまたコーラを口に含んだ。


「ダメなのよ。あたしには男の人の愛を受け止められない」


語尾が泣きそうに震えたから、俺はナツキの肩を抱いた。

華奢なその肩がナツキの息づかいに合わせて揺れる。

俺は出来る限りの優しい言い方でナツキの耳に囁いた。


「受け止められないなら、俺は包み込むよ」

「貴弘……」


ナツキがギュッと抱き着くので、俺はふんわりと抱きしめた。
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