真夏の白昼夢

しかし……
狭いベッドに初対面の相手と一緒に寝るなんて。

無防備にも、程があるんじゃないのか?

どう見たって無邪気で何もわかりませんなんてタイプじゃない。

それはつまり、そういうことなのか?


少し濡れた髪に、唾を飲む。

俺は遠慮がちに、隣でのほほんと寝ている女に手を伸ばした。

腰に手を回そうとした所で、ぐっと腕を捕まれた。


「ご、ごめん」


咄嗟に腕を引く俺。
女はこちらを向いた時、暗闇でもその瞳がくっきりと浮かんだ。


「ねえ、あたしと契約しようか」


唐突な申し出。
意味が分からなくて、俺は女に聞き返す。
< 11 / 126 >

この作品をシェア

pagetop