真夏の白昼夢
帰り道、コンビニに立ち寄る。
ここでもまた思い出す。
ナツキと出会った場所。
奇妙で愛しかった日々の始まりの場所。
今日はコーラを一本だけ買った。
もう一度、タンクトップ姿でコーラを飲むナツキを見たいな。
そんなことを思った。
マンションに着き、玄関を開けると、どうしようもない寂しさに襲われた。
暗い部屋。
シンとした廊下。
「おかえり」をくれる人が居ない。
「ただいま」を言う相手が居ない。
大きくついたため息は、静かな部屋にむなしく響いた。