真夏の白昼夢

「ナツキ……」

「そう呼んでね」


気の強そうな、だけど明るい彼女には似合いの名前だと思った。


「あなたの名前は?」


ナツキはそれほど興味もなさげに問いかける。


「俺はタカヒロ。池崎貴弘だ」


ふうん、と呟くと、ナツキは布団にくるまった。


「堅くて長い名前ね」


そうかな。
ぼんやり考えて居る間に、ナツキはうとうととしていた。


「もう、寝ようか」


そう言うとナツキは目を閉じたまま小さく頷く。


「オヤスミ、貴弘」


あまりに自然に呼ばれた名前にドキリとしながら、俺も布団を被り直す。


「お休み……ナツキ」
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