真夏の白昼夢

ナツキはカレーを大皿に盛り付けているところだった。

俺はソファーに腰掛けると、コーラのタブを起こした。


「ナツキ。コーラとプリン、欲しかったら食べていいよ」

「ありがとう。食後にいただくわ」


俺はコーラを飲み下した。キツイ炭酸が喉を刺激する。

ナツキはカレーとサラダを運び、夕食が始まる。

座っていれば食事が出てくるなんて、有り難いことだ。


食後、ナツキはベランダの窓を開けて座り、コーラを開けた。


「あぁ、おいしい」


流れ込む夜風に、ナツキの長い黒髪がなびく。

タンクトップにデニムという格好のナツキには、なんだかコーラが似合う。
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