真夏の白昼夢
そう言った後、何を思っているのか、黙り込むナツキ。
変わらない真実というものを、ナツキは信じられないのかもしれない。
例えば変わらないものは何かと聞かれれば、俺は正直困ってしまうけれど。
黙ったままのナツキの頭をそっと撫でる。
するとナツキは一層強く抱き着いてきたので、応えるように俺も抱きしめた。
俺の腕の中で小さくなるナツキがなんだか可愛く思えて。
寂しい思いをしているのなら、今だけでも埋めてやりたいと思った。
不思議なくらい、この子は俺の中に簡単に入り込んでしまったようだ。