真夏の白昼夢

準備をするからと言って寝室にこもったナツキは、水色のワンピースを着て出て来た。

普段はジーンズにタンクトップかキャミソールで過ごしているナツキ。

一変してかわいらしい姿に、ハッと息を飲む。

高い位置でまとめられた髪も、歩く度に弾んで可愛い。


「そういう格好も似合うね」


そう言うとナツキは、ふふ、と笑った。


「ありがとう」


マンションを出るとナツキは自然な動作で腕を絡めて来た。

何も言わないで、当たり前みたいに。
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