真夏の白昼夢

「じゃあ行こうか。じゃあな、真島」

「お、おう」


俺はナツキを促し、その場を後にした。

チケットに指定された席に着くと、ナツキが言う。


「あたしを見せびらかすのは楽しい?」

「え?あぁ、ごめん」


俺はナツキが気分を害してしまったのかと素直に謝った。

するとナツキは自信に満ちたように笑う。


「いいのよ。見せびらかされるのは良い気分だわ」


そう言ってコーラをすするナツキ。

俺も手元のアイスコーヒーを飲んだ。
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