真夏の白昼夢
映画を観終えた俺達は、相変わらず腕を組んだまま映画館を出る。
ナツキと相談して今夜は外食することにした。
俺は近くの手頃なレストランをいくつか思い出し、一番評判の良い所を選ぶ。
レストランで食事をしながら、俺達はよく喋った。
よく笑い、よく食べた。
今日はナツキの子供の頃の話を少しだけ聞けた。
気の強い子供で、人見知りは一切しなかったって。
今と変わらないように思えて、俺は笑った。
俺もまた子供の頃の話をした。
気が弱くて流されやすい子だったと。
するとナツキは「変わらないのね」と笑った。