真夏の白昼夢
青い石がなんだか物悲しくきらめく。
俺はケースを持つ手に力を込めた。
「ずっと居れば、いいんじゃないかな」
その言葉にナツキは驚いたような表情を見せる。
俺も自分が口走ったことに若干驚く。
だけどそれがきっと今の俺の本心なんだ。俺はさらに続ける。
「ここで暮らすと言う選択肢はないの?」
ナツキはくんっと眉を寄せる。
「あなたはボランティアじゃないでしょ?」
「そんなつもりじゃない。ただ……」
俺はかすかに乱れる心拍数を抑え、ナツキを見据える。
「俺はナツキに居て貰いたいんだ」