真夏の白昼夢
俺とナツキとの間に見えない壁があるみたいに感じる。
あんなにも自然に近くに居てくれたのに。
手を伸ばせば触れる距離にいつも居たのに。
心に触れることは許してくれないのだろうか。
「恋をしたくない訳でもあるの?」
そう言うとナツキの目には涙が溜まっていった。
だけどナツキはそれを溢れさせることはしなかった。
涙がこぼれないようにゆっくりと頷く。
「……辛い恋でもしたの?」
ナツキは少し躊躇って、もう一度こくりと頷いた。