真夏の白昼夢
ベッドの傍ら、スタンドの脇を見遣る。
受け取って貰えなかったネックレスのケースが静かに寝ている。
ナツキが居なくなったら、どこかに片付けなきゃな。
そう思うとまた胸がざわつく。
ナツキが居なくなることを心が拒絶している。
俺はざわついた胸をぎゅっと押さえて、携帯電話を手に取った。
体調が悪いと嘘をついて、俺は会社を休んだ。
馬鹿なことだとは分かっているけど、今日は離れたくないんだ。
ナツキとの時間を一秒でも長く過ごしたい。