真夏の白昼夢

「会社は?」

「休んだ」


ナツキは仕方ないなあ、といった呆れ顔を見せ、小さく頷いた。


この日ナツキが用意した朝食は焼き魚とみそ汁、お浸し。

噛み締めるように味わった。

少し薄かった味付けも、一週間の間に俺好みに変わった。

我の強そうなナツキが俺に合わせてくれたことが嬉しい。


「食べたら近くの公園にでも行く?」


俺の提案にナツキは頷く。


「じゃああたしお弁当作るよ」


珍しく少しウキウキした様子のナツキが可愛い。


「よし、決まりだ」


俺もなんだかウキウキした。
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