真夏の白昼夢

公園までの道を手を繋いで歩くと、恋人であることを実感する。

時折笑いかけるナツキを、俺は愛情をもって見つめた。


「広いのね、素敵」


この辺じゃ一番広い公園で、噴水や遊具なんかもある。

家族連れが何組か居た。

適当に芝生の上に腰を下ろし、空を仰ぎ見る。

水彩絵の具みたいな空を小さな雲がゆらゆらと泳いでいた。


時間もちょうど昼時だったので、ナツキの作った弁当を広げる。


「今日は頑張ってみたの」


そういってナツキは得意げに笑った。
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