リューベル王物語
【序】
ルグラン大陸の西の彼方には、
ヒディーヌ山脈という名の連峰が聳える。
いくつもの万年雪や氷河を湛える険しい山々は、
さながら自然の要塞のようである。
この山脈を越えると、
広大で平坦な半島が広がり、
山脈の厳しさとは対照的に温暖な気候に恵まれることになる。
この温暖な半島をヒディーヌ半島と言い、
リュネ王朝は
この地に1600年の歴史を持っていた。
物語は、この地より始まる。