リューベル王物語



リクは、


間合いを詰めてくる男達を


交互に睨みながら言う。



「仲間を見殺しにする気か?すぐに運んで手当をしてやらないと、命にかかわるぞ。」



男達は無言である。



しかし、


すぐに片方の男が声をあげた、


「おい、こいつバーデンバーグじゃないか?」


「なに?」


もう片方が驚く。



だがこれにはリクも驚いた。



この男達は、


自分のことを知っているというのか?


しかし、


リクはこの機を逃さなかった。



驚きの声を上げた方の男へ、


間合いを詰めて桑を振り払う。



男は後ろへ跳び、


すぐ横に走った。



リクは振り返って


もう一人の打ち下ろす警棒を


クワの柄で受け止める。



男の顔は黒く包まれていて、


眼の部分しか開いていない。



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