リューベル王物語
【バーデンバーグ家の居間より】
リクが王宮に忍び込もうとしていた三人の賊を追い払ったこと、
その現場を見つけて駆けつけ、
こうして自宅まで護衛したことを、
衛兵がリクの父親に
「大変恐縮しながら」
説明して帰って行った。
リクの父親、
コウキ・バーデンバーグは
むしろ自分の息子の出過ぎた真似をとがめ、
衛兵にねぎらいの言葉をかけてから帰した。
その衛兵と入れ替わるようにして、
ピノア・ル・セリウスの父親、
エドワード・セリウスがやって来た。
「リク!まったく心配かけおって。とにかく無事で何よりだ」
そう言ってリュネ王国内務大臣のエドワードは、
バーデンバーグ家の居間に入ってきた。
「ピノアが心配そうにしていたぞ」
とリクに向かって笑った。
「おじさん、すいません」
とリクは素直に謝った。