リューベル王物語


前にも述べたように、


バーデンバーグ家とセリウス家の者たちは


お互いに気心が知れている。



自宅の居間でくつろぐような形で、


エドワードは勝手にソファーに座る。



リクの父親がその対面に座るのを見て、


また難しい政治の話が始まるのだと思い、


リクが自室に引っ込もうとすると、



「リク、今日の話を詳しく聞かせてくれないか。まあ、座れよ」


と父親のコウキが引き止めた。


「どんな奴らだった?」


リクは父親とおじさんと三人で話ができるのだと思うと、


嬉しくなった。


自分も一人前の大人として認められたような気持ちになった。



「黒ずくめでよくわからなかったけど、彼らはぼくのことを知っていた。『バーデンバーグだ』って言われたから」


「ほう……」


コウキとエドワードが同時に声を漏らす。

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