リューベル王物語


「だから、あの三人はどこかから来たのじゃなくて、


この国の人間だと思う。


それと、何かを企んでいるように思うけど、


そんなに綿密じゃないと思う。」



「なぜそう思った?」


父親のコウキが静かに質問した。


リクが答える。


「まず、装備がたいしたことなかった。


王宮の衛兵と闘うことも想定すれば、


武器が警棒だけというのは、


少し心細いから。


もしくは王宮の衛兵が長槍や剣を持っていることを知らなかったのか。


知っていてあの装備なら、


相当武術に自信があるはずだけど、


そんなたいしたこともなかったし。


何より、ぼくが王宮に侵入するなら、


あそこは選ばない」



「どこを、選ぶかな?」



エドワードが興味深げに聞く。



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