先生、執事、不良、幼なじみ、俺様……えーと、後なんだっけ。
…………。
宅配便なサインをがしがしと書きながら、夏月は少し落ち着くことにした。
心の温度を下げる。
「………よし」
騒いだら、負けだ。
自分だけ、騒ぐのもなんか悔しいし。
………しかし。
この宅配便は、何かおかしい。
と、言いますか。
段ボールが異様に大きい。
………人が入りそうなくらい。
伝票を見る。
配達品………先生。
「詰め込み教育っ!?」
…………いや、落ち着け。
何か、別の物だ。
ガタッ。
段ボールが、ひとりでに揺れた。
いやいや、人なんて入っ
ているわけがない。
ガタタッ、ガタ。
「…………」
とりあえず、ガムテープで、その段ボールをぐるぐる巻きにしておいた。
一見落着。
そう、見た目だけ。