先生、執事、不良、幼なじみ、俺様……えーと、後なんだっけ。
私は今、学校の正門の辺りにいた。
「…………」
そして、そこから動けないでいた。
「……とりあえず、良かったと言うべきなのかな」
どうやら、『私が不良』オチではなかったようだ。
正門の前、そこにはあからさまに知能指数の低そうな不良がたむろしていた。
「よし、作戦Bでいきましょ。あんたらは囮ね。私は裏門に回るから」
「そんな!?」
「口応えするな、幼なじみB」
「Bって何!?」
「呼び分けはいるでしょうが。スライムだって2匹で来た時は、AとBがいるのよ。スライムを呼び分けて、幼なじみを呼び分けなかったらスライムに失礼でしょ!」
「え、何、その無茶理論!?しかも、スライムに気を遣う必要ないし!」
「ほら、あんた、博士キャラも兼ねてたよね。ほら、薬品混ぜて爆発させて、みんなの気を引いて」
「できないって!」
「ファイナルファンタジーなら、そういうのあったでしょ。たしか、爆弾岩と……」
「なんで、さっきからゲームと現実混ぜ出してるの!?」
「乙女向けの小説と現実を混ぜてる奴が何言ってるんだか。男なら、やると決めたらやるの!」
「決めてないし!」
「あー、もぅ!」