先生、執事、不良、幼なじみ、俺様……えーと、後なんだっけ。
ガシャーン!
「十五の夜っ!?」
部屋の窓ガラスが割れた。
そこから、覆面の何者かが現れた。
「え」
ちょい待ち、何キャラよ。
さっきのエンジン音からして、不良か。
男が覆面を取る。
「あんた――――」
私の部屋を荒らした罪は重いわよ。
と言おうとした、私は言えなかった。
覆面の下の素顔。
それは、明らかにイケメンではなかった。
えーと…………私が色々なイケメンに日常を乱される話じゃなかったですかね。
路線、変更?
なに、猟奇系?
まぁ、待て。
落ち着け。
こういう時こそ、落ち着くんだ。
大慌ての脳細胞に語りかける。
『まぁまぁ、そう落ち着きなさんなって』
うぉい!
もっと、慌てろってこと!?
まず、自分の脳に話かけるところから変だし!
大混乱な私をよそに、そいつは口を開いた。
「ここら辺を占めてる『平成の大不良』の彼女はどいつだ?」