先生、執事、不良、幼なじみ、俺様……えーと、後なんだっけ。
大慌てしていても、脳はしっかり働くらしく、瞬時に私は幼なじみを指さした。
「こいつです」
「えっ、僕!?う……うふーん、真美よ〜ん。さらってー、さらって〜」
うわ、劣悪な。
「……………」
あ、困ってるし。
その隙に活路を探す。
おそらく、平成の大魔神ならぬ『平成の大不良』とは、あの不良キャラのことだろう。
それで、この不良が腹いせか、派閥争いかは知らないが、不良キャラの彼女を人質に取ろうと考えた。
こいつも、あの不良キャラがフラれるとは思ってなかったのだろう。
私って、罪な女。
しかし、今、悩んでいるところを見ると、頭の端で『不良キャラの彼女が男』である可能性も考えているわけだ。
「えーと………あと、こいつらも大不良の彼女」
執事と俺様を指さす。
「大不良の彼女はワタクシでございます」
「さぁ、俺様をさらえ」
――――そして。