先生、執事、不良、幼なじみ、俺様……えーと、後なんだっけ。
「えー、僕のこと忘れちゃったの!?渡瀬俊也(ワタセシュンヤ)だよ!生まれてから、ずっと一緒だったよ!」
つまり、こいつが『幼なじみ』か。
なるほど。
つか、私の普通な幼なじみは!?
いたよね、1人!
草食動物系の眼鏡男子が。
私に、『現実の幼なじみなんて、こんなものだよ』と身を持って現す、あいつが。
いつか、イケメンに大変身して、私に愛の告白をしに来ればいいなー、とひそかに夢見てるあいつが!
最近、あんまり会ってないっていうか、興味ない、あいつが!
「わ、わ、とりあえず、病院に……!こういう時は病院なのかな!?分からない、分からないぞーっ!」
「行かないし!他人だから!警察呼ぶわよ!」
「だ、大丈夫、真美ちゃん!?記憶喪失ってやつ!私の頭の中のまとまる君ってやつ!?」
「だから、真美じゃないし!!」