先生、執事、不良、幼なじみ、俺様……えーと、後なんだっけ。
「どうする、私」
俺様キャラはいない。
転んだだけでは、逃げられない距離ではない。
あの後、脱出した可能性が高い。
脱出した可能性の方が高い。
脱出した可能性の方が十分に高い。
脱出した可能性の方が十二分に高い。
でも………。
でも。
「あーぁ」
私は、一つ、息を吐いた。
世話をかけやがって、後で腎臓パンチだ。
崩れる入り口。
私は残った。