先生、執事、不良、幼なじみ、俺様……えーと、後なんだっけ。
「く………くっ、くっ、はははははっ!確かに!確かにそうだ!お前はお前だ!」
あろうことか、めっさ笑われた。
「わ、笑うな!置き去りにすっぞ!?」
「…………あぁ、そうしてくれ。見ての通り、俺は足をやられてる。二人で脱出は無理だ……お前だけなら、まだ助かる。さっさと行け」
おぉ、そう来たか。
確かに、いい男の発言だ。
自己犠牲による愛。
それも、ありっちゃ、ありだ。
でも、重大なことを忘れている。
ヒロインが誰かってこと。
「言ったでしょ……」
そして、そのヒロインは、
「私は命令されるの、だいッ嫌いなんだよ!」
ヒロインらしからぬ、ってことを。
「あー、もぅ、熱い!ひとっ風呂浴びたい気分よ!その為には、脱出するわよっ!!」
俺様キャラに無理矢理、肩を貸す。
「…………ニョロ代」
「その呼び方はやめろ」
私達は歩き出した。