先生、執事、不良、幼なじみ、俺様……えーと、後なんだっけ。
…………歩き出した。
歩き出したは良いものの。
「ねぇ……これって、あれだよね」
「あぁ、大ピンチだな」
俺様キャラが隣で自嘲気味に笑った。
確かに、笑いたくもなる。
なんてゆーか、逃げ場がないのだ。
入り口は潰れていて、至る所から火の手が上がっている。
「……どうすりゃ、いいのよ」
絶望が足に絡み付き、私は立ち止まった。
立ち止まるしか、できなかった。