ホットレモンの憂鬱
4.ホットレモン
今が冬期休講で。
今日がバイト休みで良かった。
次の日の夕方まで悶々と引きこもる。
俺をここまで落とさせた真愛に会いに行く。
やっぱり…このまま黙ってられないってのが結論で。
修復できるかも…。
そんな願いを込めて、真愛の部屋がある5階の渡り廊下。
「…何、その格好…?」
髪を綺麗にくるくる巻いて、ほんのり化粧もして。
普段よりもお洒落な格好をしている真愛がいた。
「…合コン行くって、まっちが言うから。あ…、何て言うか…」
ばつが悪いのか、しどろもどろに黙り込む真の代わりに答えた上島。
いつもは汚れるから、と言って着ない白いコートを身に纏う真愛は、俺を見ようともしない。
俺の前でさえ…。
そんな格好しなかったくせに。
たかが、合コン行くだけなのに…。
何なんだよ…?
いかにも、期待してますみたいな張り切った格好して…。
ドグンッ、ドグンッ…。
暴れまくる俺の心臓。
重くのしかかる。