ホットレモンの憂鬱
今頃、自己紹介なんてしてんだろうな。
知らない男の前で、俺に見せない笑顔を振り撒いてんのかな。
んで、彼氏はいませんって答えてさ。
飲めもしない酒進められたりして…。
誰か知らない男に身を委ねて…。
俺のことなんて…あっという間に忘れちゃうんだよな…。
これっぽっちも思い出してくれなくて。
他の男と話してる間でさえ、俺の存在すらなかったみたいに笑ってんのかな。
それ…、相当キツイわ…。
乱入したっていいけど、そんなの見たくないから。
待つしかないじゃん。
会って何て言う?
また嫌いって言われる?
どうしたらいいんだ…?
ほんと…、惨めだよな。
ぼやける視界に、喉の奥が熱くなって、流し込んだホットレモンはすでに冷たいレモンに変わっていた。
痺れるような冷たさに、目の前が滲む。
真愛…?
俺、ほんとに好きだったよ…?
これだけは…、わかってよ?
やっと掴み取ったのに…、簡単に離れて行くなんて…。
俺が、悪いんだけど、…残酷だよなぁ。