雅 - MIYABI - *さみ短2*
時間が遅いということもあり、脱衣場には私たちだけ。
不意にあの梅の木の声の事が頭に過ぎる
そういえば、都で待ってるって…
そんな事を考えてたら、私はまだロッカーの前で服を着たまま
「ちょっと八重~、お風呂は服脱がなきゃ入れないでしょ?」
パンティを下げながら璃花は言う
「(笑)先…行ってて」
「しょうがないなぁ」
璃花が浴室に行き、私もゆっくり露になる
-- ガラガラ~
胸の前にタオルを当て中へ入る
髪を洗い終えたのかタオルで髪を包みながらこっちを向く璃花
「そんな隠さなくたって誰もいないよ♪」
璃花…貴女がいるでしょ
「……」
「背中流してあげる~♪」
「えっ!?…いいよ」
「何言ってんの、こういう所来たら互いの背中を流す、これ常識よ」
「……」
そういうものなの?
「キレイな背中してるね(笑)」
「…そう?」
璃花の手は魔法の手のようだ
力が強すぎず、弱すぎず
…気持ち良い
バシャ~ン
「はい終わり♪次私のも洗って♪」
「うん」
璃花がしてくれた様に掌で泡を作り
上から下へ少し力を入れて
キュッ キュッ キュッ
バシャ~ン
「ありがとう☆」
なんだか不思議
裸を見られると恥ずかしい
なんて思ったのが、なんだかバカみたいに思える程
今は楽しい気分
-- ポチャン
白色の湯船に浸かると身体の半分以上は隠れる
私達は、外の景色を楽しみながら横並びに座る
「たまにはさ、こうして身体を解放してあげるのも気分いいでしょ(笑)」
「そうだね」
我が家は小さなユニットバス 膝を折り曲げなくなくては入れない
足をおもいっきり伸ばし、掌で湯をすくい顔にかける
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