雅 - MIYABI - *さみ短2*
この後璃花と二人っきり
まさか…
それ以上のこと
…ないよね
脱衣場に先に上がった璃花はタオルも巻かずコーヒー牛乳を取りに行った
「はい♪」
「ありがとう」
「水分補給しないとね」
私は、バスタオルを巻きコーヒー牛乳を受け取る
湯に浸かりすぎたわけではないのに
胸だけが
異常に
…熱い
部屋に戻るなり、いつのまにか敷かれている布団に潜り込んだ璃花は、グッスリ。
私は、なかなか眠りに就く事が出来なかった
何故って?
この狭い空間に二人でいると、さっきの出来事を思い出してしまうから。
私は、心を落ち着かせる為に浴衣の上に羽織りを被せ、庭を散歩する事に。
月明かりを頼りに池の周りをゆっくり歩むと人影が一つ。
「お待ちしておりました 八重様ですね」
「あの、貴方は?」
「申し遅れました。わたくしは、 紅(クレナイ)と申します さぁ、参りましょう」
「紅…さん? あの、どちらへ?」
「わたくしの世界でございます。時間がございません、さぁ。」
頭の整理が出来ないまま、彼女に手を取られる。
淡い紅色の光りに包まれ、意識が遠退く。
どのくらい目を閉じていたのか、気が付いたら夜明け前のようで東の空が薄桃色に。
目の前は、変わりなく紅梅の木、池の周りには旅館。
「あれ?私こんなところで寝ちゃった?」
だけど、何かが違う
記憶のパズルを組み立てる
「え~っ!?」
自分の姿を確認し、思わず叫んでしまった
だって、だって。
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