雪と涙とアナタと~CASE1~
少しずつ積もってゆく白い雪が、白いじゅうたんの様になって道を埋め尽くしていく

この景色を想い出に、私は彼から卒業しよう

引き際は重くなく、悲しくないように


「先生、もうそろそろ塾に戻らなくて良いの?」

「あ、ヤバ!俺、報告書書いてねぇ……」


私の言葉に彼は頭を掻きながら、眉をひそめた

その言葉を聴きながら、私は彼に今度こそ別れの言葉を告げる


「それじゃあ先生、さよならだね」

「何か、言い方切ないな」


私の言葉に苦笑しながら、彼は私を見つめた


「だって、さよならじゃん」

「そうだな」


「でも」そう言って彼は私に言葉を続けた


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