雪と涙とアナタと~CASE1~
「俺はあと1年はここにいるけどな」


「だから何かあったら、いつでも帰っておいで」そう言って彼は再び私の頭をなでた


バカ、優しくされたらまた泣けちゃうよ?


心の中だけで私はそう呟くと、彼は私にもう一言付け足した


「そう言えば……今日は何か大人っぽいな」


笑いながら「おしゃれしてる」と言って、彼は私に目を向ける

その一言で舞い上がってしまう気持ちは、どうしたら良いのだろう

でも、伝えたくないこの気持ち

このまま綺麗な形で終わりにしたいから、私は彼に何も言わない


「ありがと、大学行ったら彼氏出来るかな?」


何でもない風を装って言う私に、彼は「きっと良いヤツにお前なら出逢えるよ」と笑った


「その時はお兄さんに紹介しに来なさい!」


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