同じ歩幅で ~恋、してますか~
「あのっ!!美知さん、明日ですけど・・・ゲートボールないけど、大丈夫ですか?」
ゲートボールの後片付けしてる美知さんに話しかけた。
ずっと誰かがおるからなかなか話しかけられへんかった。
驚いたように目を見開いた美知さんが、一瞬沈黙になった後、にっこりと笑ってくれた。
「はい!!もちろんです」
「どこがええんかようわからんのですけど・・・ 駅前の和食屋さんで昼ごはんでもどうやろか」
お茶の約束しとったのに、昼ごはんを誘ってみた。
「昼ごはんいいんですか?嬉しいです。お腹減らしときます」
ほんまに感じのええ人やなぁ。
この1ヶ月で、びっくりするくらい美知さんを好きになっとるみたいや。
胸がドキドキしとる。
「どこで待ち合わせにする?」
「稔さんに任せます」
ほんまにデートみたいや。
美知さんとは駅前の本屋で待ち合わせすることにした。
ふたりで食事するのは初めてや。
女性とふたりきりで出かけるなんて、女房を亡くしてから初めてやった。