同じ歩幅で ~恋、してますか~
「稔さん!!お待たせしましたか?」
ちょっとお洒落した美知さんが、私の腕をぎゅっと掴んだ。
えらいドキドキした。
「あ・・・いえ!!早く来てしまっただけですわ!」
2人で時計を見て、約束の時間の15分前だと知り、顔を見合わせて笑った。
美知さんも楽しみにしてくれとったんかな。
「何する?お腹減ってる?」
美知さんはメニューをじっと見ながら、お腹ペコペコやと言った。
「じゃあ、この天ぷら御膳とかどう?美味しそうやで」
ランチメニューの中で一番高かった天ぷら御膳。
美知さんは遠慮して安いの頼みそうやったから、天ぷら御膳を2つ頼んだ。
「すみません。昼からあんな豪華な・・・」
「いいんですよ。今日は、ホワイトデーやから。気にせんとってください」