ホームレッスン
不安
「なぁ、そろそろ家に帰った方がいいんじゃないのか?」
氷雨の声が、頭の中で反響して聞こえる。
「…んあ?いーんだよ。残業ってことにしてるから」
目の前にあるキンキンに冷えたビールを“グビッ”っと喉に流し込んだ。
「おいおい…。幸太郎、アル中になっちゃうぜ」
「うるせー…、どうにでもなれってんだ」
最近の俺は、駄目人間。
家庭教師が終わった後も、バイトが終わった後も、毎日氷雨の家で酒に入り浸る毎日。
なんだか、もうどうでもよくなってきた。