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「待ってて、お水持ってくるから――…」



スタッっと立ってキッチンへと向おうとする早苗の手首を、無意識に掴んだ。


しまった…そう思った時にはもう遅い。


目の前には驚いた早苗の顔。



なにやってんだよ……。

なんで、寂しいなんて思ったんだ?


これじゃ母親に甘える子供みたいじゃねぇーかよ…。



そんな俺を尻目に、掴まれた手首をじっ…と見た後、おもむろに元の場所へ座りなおした。






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