ホームレッスン
誘惑
「ねぇ先生―?」
「なんですか…愛子ちゃん」
彼女…、愛子ちゃんは最近授業に力が入っていない。
抜群にあった集中力が欠けてきているのだ。
そのため、数学の点数も右肩下がりになってきた。
このままでは、俺の首さえ怪しいほどに。
そんな時、愛子ちゃんが軽~く言った一言に、全身が凍りついた。
「あたしねっ、先生が好き――…」
焦る心を隠し、冷静さを保ちつつ、愛子ちゃんの真意を確かめようと目を合わせる。
――――…本気だ。