ホームレッスン
テーブルの上には、当たり前のようにラップがかけられた夕食が置いてあった。
もう冷め切っているそれは、2人の関係を表しているようで、余計胸の奥がズシリと重くなる。
その横には、早苗の文字で書かれた一枚の紙が置いてあった。
なんだよ……。
イライラを抑えられずに、レンジの中に夕食を荒々しく放り込んだ。
俺たちの関係も、こんなに簡単に温められればいいのにな……。
無理なことと分かっていても、そう考えられずにはいられない。
握り締めた手のひらからは、クシャ…っと悲しい音が響いた。