プレゼント
あたしの知らない間に圭は変わっていったけど、あたしに対する圭は変わらなかった。
あの日以来、母が夜勤の日に圭がいないことはないし
全然変わってないのかも、と思った。
「乃亜ちゃんって子、いるかな?」
昼休み、美奈子と食堂から教室へ戻っていると、あたしを探している子がいた。
「あたし、です」
「ちょっと話したいんだけど、いい?」
「はあ…」
知らない子に呼び出されたのは初めてだ。
何を言われるのだろうと考えてみても
何も思いつかなかった。