雪と涙とアナタと~CASE2~
彼の指が私に埋もれた瞬間、私は痛さに身を引いた

そうして、堪えていた声が1度だけ苦痛の声として漏れてしまう


「美月、お前もしかして……初めて?」


あぁ、やはり彼を現実世界に戻らせてしまった

先ほどまで目を閉じて一連の行為をしていた彼

今は私を見てる

私を見てくれている事に嬉しさを感じながらも、自分のした失態に私は嫌悪していた


「だい…じょうぶ……だから、続けて?」


そう言うと彼は小さく「ごめん」と言って再び行為を続けていった

私と彼がつながった瞬間、どうしようもない痛みに再び声が漏れそうになる

それを必死でこらえて、私は涙を流した

痛さと虚しさに、心が完全に壊れた

この日から、私は毎週彼に抱かれ始めた

愛のない、ただの行為だけを繰り返す、そんな日々が始まったのだ……


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