雪と涙とアナタと~CASE2~
そうして迎えた高校の卒業式の日

学校について少しすると、いつものように「おはよう」と言いながら亜祐美が教室に入ってきた

そうして教室に人々が集まってきて、体育館に場所を移動して卒業式が始まった

卒業式が始まって1時間が経った

かなり長い間、私は席に座ったままだ

時々一礼するために立ち上がったりもするが、お偉いさんの話を聞いているのは退屈でしょうがない

むしろ斜め前に見える亜祐美の頭が、コクリコクリとなっているのを見ている方が面白い


『それでは卒業証書授与』


そう式を進行する先生が言うのを聞いて、私は顔を上げた

何人もの生徒が、流れ作業に卒業証書を受け取るのを見つめながら、これで1つ目のイベントが終わったと心の中で呟いた


「根本美月」


そう呼ばれて、私は席を立ちあがった

ゆっくりと階段を上がり壇上に立つ私

前の生徒が理事長から卒業証書を受け取るのを見て、私は一歩足を踏み出す

理事長の前に立つと、一礼

理事長が私の名前を読み上げると「以下同文」と述べて、「卒業おめでとう」と私に証書を渡した

それを受け取ると、私は一礼して席に帰る道をゆく

お偉いさんの前でも一礼し、角はきっちり丁寧に曲がって席に戻ると、私の頭の中にはもうあの人の事しかなかった


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