雪と涙とアナタと~CASE2~
「亜祐美!」

「美月!」


卒業式後のHRが終わって、私たちは同時に声をかけた

2人して驚いて笑い合ってから「『今日ちょっと用事あるから、先に帰って』」と再びタイミングよくハモッていしまう

一通り2人で笑い合ってから、私たちは教室を出た


「今日、美月に電話して良い?」

「うん、きっと私もしたくなるから」


そう答えながら、亜祐美はどうして電話をしたいと思ったのだろうかと考えた

一体何を思って私にそう尋ねたのだろうか?

そう疑問に思っても私は彼女に、自分から深く尋ねるつもりは全くなかった

彼女は話したくなれば、私が尋ねなくても話してくるだろうから

だから私の話ももう少し待っていて

今日はきっと迷惑かけてしまう気がするけれど、ちゃんと終わったら話すから……


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