雪と涙とアナタと~CASE2~
「あら、美月ちゃんこんにちは」

「おばさん、こんにちは」


今日はベランダからでなく、ちゃんと玄関から入ろう

そう思って、私は彼の家のチャイムを鳴らした

そこから出て来たのは、懐かしい彼のお母さんだった


「一哉まだ帰ってないのよ…あ、そう言えば美月ちゃんは今日が卒業式だったわね?」


温かい笑顔でそう尋ねる彼女に、私は「はい!」と答えると、彼女は「おめでとう」と言ってくれた


「一哉もこの前卒業式だったし、あとは大学ね」


「美月ちゃんは頭良いからね、推薦で決まったってお母さんから聞いちゃった」と悪戯っ子の様に彼女は笑うと、私を家の中へと入れてくれた


「一哉の部屋、分かるわよね?」


その言葉に頷くと、私はそのまま2階へと上がっていった


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