雪と涙とアナタと~CASE2~
それでも体は正直なようで、彼の指に舌に声に、甘い痺れを生み出されていく

この感覚は、きっと一生忘れられる事はないだろう

心の中でたくさんの「好き」と「ごめんね」と「ありがとう」を呟いた

そうして私の体は高みを昇ってゆく

ビクッと弓なりに私の体が反応した後、私の中で彼が薄いゴム越しに欲望の塊を吐きだしたのを感じていた

そうして彼は私から離れると、行為後の後始末をして私の隣りに倒れこんだ

私は荒くなった息を整え終わると、スッと体を起して下着と服をつけだした

そうして「さようなら」と言って去ろうと思っていた


「さ……」
「あのさ、お前なんで?」


さようならの「さ」を言ったところで、彼は私の言葉を遮った

彼の言葉の意味を察する事が出来ず、私は何も言えずに彼を振り返った

ベッドに座った体を捻って後ろに手をつくと、そこには下から見上げた形の彼の顔があった


「何でなんだよ…どうして俺にここまですんの?おかしいよ、お前」


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